相続が発生した場合、名義を換えておくものって、どれだけ思い浮かびますか?
今回は、司法書士が関わることができる分野をメインに、名義変更の漏れがないか、確かめてみましょう。
もちろん、ここに記載したもの以外にもたくさん手続きはありますので、漏れのないように進めていきましょう。
・不動産登記
これはわかりやすいですね。しておかないと、担保に入れたり、売却したり、贈与したりできない場合が多いですし、放っておくと、さらに相続が発生したりして、権利関係が複雑になるので、早めに遺産分割協議と登記を済ませておきましょう。
とりあえず法定相続分に応じて共有にしておくという選択肢もありますが、後々、売却や贈与、担保設定等の際に手間や費用がかかるかもしれませんし、再度、その相続人が亡くなった場合に、権利関係が複雑になるかもしれませんので要注意です。
共有の場合、配偶者居住権が制限される場合もあるので、その点も要注意です。
時期的なことを考えると、相続放棄や相続税の申告の期限も注意しなければなりませんね。
住宅ローン等による抵当権の登記がある場合、返済が終わっているか否かで手続きに違いが出てきます。まずは、金融機関か専門家に相談する方がよいでしょう。
事業用不動産についても、忘れずに相続登記を行いましょう。
その際、根抵当権の登記がある場合は、要注意です。詳しくは、次回、会社法人に関する相続手続きでご説明します。
・預金
残された人たちの生活等を考えても、速やかに手続きをしておく必要があります。
判例変更、法改正等による影響が大きく、相続人が遺産分割協議前に引き出せるか否か等、近年変更の多い分野であるため、最新の情報を入手するか、金融機関、専門家に相談しましょう。
金融機関ごとに手続きは異なっている場合があります。遺産分割協議書が必要なところ、遺産分割協議書はなくてもよいが、専用の用紙に相続人全員の署名押印を求めるところ等、一様ではないように思います。
相続法改正では、法定相続人が、一定の限度までですが、仮払いが認められることになりましたので、この方法で、当面の生活や死後の手続きのためにお金を使うことができますね。
次回は、個人事業や会社経営をされていた場合について、検討します。