共有不動産相続登記と住所変更登記!
よく、親子や夫婦の共有で土地や建物を所有されているケースを見かけます。たまに、法定相続登記をして共有になっているものも見かけます。
ローンの関係等で、共有にしておく必要があったのではないかなと思います。
最近では、共有であることのデメリットが注目されることが多くなり、共有の解消のために生前贈与の登記をしたり、家族信託を利用して共有状態を解消しようとする動きが活発です。当事務所にもご相談いただくことが結構あり、また、共有でお持ちの場合は、お声がけするようにしています。
今回は、こういった親族で共有されている場合に多い、共有者が死亡し他の共有者が持分を相続する場合の住所変更登記の要否について検討してみます。
例えば、A、Bが1/2ずつ共有しているけれど、Aが死亡し、Bが単独で相続する場合を考えてみましょう。
この場合で、亡A、Bともに、登記上の住所が現在の住所と異なっているとします。
まず、相続登記に先立って、亡A、Bの住所変更登記は必要でしょうか?(しないと相続登記できないでしょうか?)
これは、亡Aについては、住所変更登記は不要だけれど、登記上の人物と今回亡くなった人物の同一性を確認するため、除票や戸籍の附票を添付します。(登記上の住所と本籍が一緒なら不要)
Bについては、住所変更登記は不要です。相続以外の原因で共有持分を他の共有者に移転する場合は必要です。つまり、原則どおりです。(よく試験に出るところで、よく間違えました)
不要なのですが、しておかないと、旧住所のBと新住所のBが、登記記録上で共有者とされてしまいます。
実際にこういった登記がされているものを扱ったことがあるのですが、その後の所有権移転登記の前提の住所氏名変更にすごく手間取ったことがあります。(住所氏名が変わっており、戸籍の附票で登記住所まで辿れなかったので、上申書で対応)
「相続登記できるなら別に住所氏名変更要らんやん」と放っておくと、後で苦労します。(証明書の保存期限の関係等で住所を辿れなくなる場合もあるので)