実は危険!抵当権抹消登記の放置
金融機関等からお金を借りていたけれど、返し終わった場合等に、登記されていた抵当権(住宅ローン)の登記を抹消するための書類を交付してもらう場合が多く、そのタイミングで、司法書士に依頼したり、ご自身で登記申請をして、抵当権を抹消するというのが一般的な流れだと思います。
この抵当権の登記、放置しておいても大丈夫なんでしょうか?
別に衣食住に直接影響しないし、もうお金は返済しているのだから、わざわざお金や時間をかけて登記する必要なんてあるの?
という疑問をお持ちの方もおられるかもしれません。
でも、この考えは危険です。
というのも、最近、ご依頼いただく一連の登記で、昔の抵当権が残っているという場合がいくつかあり、単純な抵当権抹消登記に比べて結構手続きが大変です。
登記件数や作成書類が増えれば、司法書士に依頼する場合は費用が膨らみますし、自分自身で申請する場合は、手間が増えます。
金融機関の合併等が生じていれば、その登記を行う必要が生じうるため、時間がかかることが多いです。
これくらいなら、仕方ないと思えるかもしれませんが、特に悲惨なのは、債権者(お金を貸していたところ)が行方不明、もしくは解散してしまった場合で、清算人が亡くなっている場合でしょう。
そうすると、どうしても裁判所がらみの手続きが必要となると考えられます。
主なものは、
1.利害関係人から裁判所に清算人を選任してもらって登記手続きをする。
2.債権者が行方不明等で、被担保債権の弁済期から20年以上経過しており、元本、利息、損害金等全額を供託して単独で抹消登記手続きをする。
3.公示催告をして除権決定を受けて登記手続きをする。
4.裁判をして判決を得て登記手続きをする。
といったところでしょうか。
確かに、全ての金融機関が解散するわけではありませんが、こうなると非常に大変です。
と、いうわけで、抵当権の抹消登記は、できるだけ早めに行いましょう。